バリ島のお正月「ニュピ(Nyepi)」

バリ島情報
スポンサーリンク

「静寂の日 ニュピとは」

バリ島の人々はバリ・ヒンドゥー教を信仰しており、世界各国で使われている「太陽暦」の他に「ウク暦」と「サカ暦」の3つの暦に従って生活しています。ニュピはその「サカ暦」の新年にあたり、バリ・ヒンドゥー教徒にとっては新年を迎える最も大切な日となります。

ニュピは毎年3〜4月に行われますが、2021年は3月14日にサカ暦1943年を迎えました。

バリの各家庭では、ニュピ用の特別なお供物作りが何週間も前から始まります。

ニュピの前々日、各村々の寺院に安置されている御神体を寺院から出し、村人と一緒に川や海、湖などに向かいます。そこで御神体をお清めすするムラスティという行事が行われます。

ニュピ前日は、月が隠れるティルム(暗月)の日です。この日に冥界のヤマ神が大掃除をするので、悪霊プト・カロが地界を追い出され地上に這い出してくるので、昼から村々では祓いの儀式(ムチャル)が」行われます。特に道が交わる交差点や三叉路に悪霊が集まると言われているので、そこに祭壇が作られ生贄(チャル)を捧げ祓いの儀式が行われます。

また、夕方から各家庭では鍋や釜を打ち鳴らし、家に入り込んだ悪霊を追い出します。悪霊は金属がカンカンと打ち鳴らされる大きな音を嫌うと言われているのです。

各村では、オゴオゴと呼ばれる大きな鬼のハリボテを作り、村を練り歩きます。各家庭から追い出された悪霊がこのオゴオゴに乗り移ると考えられており、最後に悪霊が乗り移ったオゴオゴは焼かれてしまいます。

そして、翌日の夜明けからニュピが始まるのです。

ニュピ当日の夜明け(朝6時ごろ)から翌日の夜明け(朝6時ごろ)までは「火や電気を使わない」「外出をしない」「仕事をしない」「殺生をしない」と定められて、欲望や願いを捨て静寂な時の中で悪霊が去るのを瞑想して世の中の平和を神に祈りながら待ちます。

ニュピ当日の過ごし方

ニュピ当日の制限は、バリ・ヒンドゥー教徒だけの制限ではありません。バリ島に住む外国人、異教徒、そして各国からの観光客含めバリ島に滞在するすべての人が従わなければいけません。

当日は外出はもちろん禁止、デンパサール空港利用の飛行機の離発着もフェリーが着く港も閉鎖されます。

緊急を要する救急車であっても各自治体に確認をとってからでないと出動できないほどニュピの制限は忠実に守らなければいけません。

インターネットも規制の対象となります。今年は何故かwifiは繋がるのですが、モバイルデータは使えません。

自分は、観光客だからといってホテルの外にでたりするとパトロールにあたっている警察官や自警団の方に捕まってしまいます。

ただ観光客の方が宿泊するリゾートホテルなどでは電気の使用などはある程度軽減されているので、リゾート内で過ごす分にはさほど不自由は感じないかと思います。ただ外に光が漏れてはいけない為、プールの営業時間が短くなったり、屋外レストランが営業を中止したりする場合は多くあります。またホテルスタッフも田舎に帰っている場合があるため、ホテルスタッフが少なくなるなどの影響はあります。

ニュピ前日の注意点

例年ならニュピの前日は、オゴオゴと呼ばれるお祭りの為バリ島の街中が通行止めになります。バリ島の幹線道路「バイパス」も片側車線になったり、通行止めになることもあるので、移動には十分な注意が必要です。ところが、今年はコロナの影響でオゴオゴが禁止となり、とても残念です。

この日は午後から多くのお店などが閉店します。みんな次の日のニュピに備えてコンビニエンスストアなどは光が漏れないよう、早々に閉店し店舗に黒い布を貼り始めたりします。

その為、ニュピ前日のホテル移動やホテルチェックアウトなどは避けた方が無難です。

いつもなら20分で行く距離を2時間かかったりするほど渋滞に巻き込まれます。

お買いものも希望の店が閉まっていたりするので、ニュピ前日はホテルでのんびりするのが影響のない過ごし方かもしれません。そして、今年私が一番困ったのは、銀行のATMもニュピ前日の午後からは完全に電源オフされ、本店まで行かなくてはお金を下ろせなくなると言う事です。現金が必要な際は、早めに引き出しておきましょう。

ニュピだからこその楽しみ

ニュピだからこその1番の楽しみは、こぼれそうなほどの満天の星空を見られることです。星が多すぎて、普段見慣れている星座を見つけるのに苦労するほどです。

バリ島全体が電気を使わず、新月で月明かりさえも無く、これほどまでの暗闇を経験したことがある方は少ないのではないでしょうか。最高の贅沢だと思いませんか?

また、ニュピの1ヶ月前位から、多くのリゾートホテルやヴィラがニュピパッケージと言うものを出してきます。
普段よりとてもお得なパッケージになっていますので、バリ在住の外国人はよく利用しています。

私も毎年、お友達家族と一緒にリゾートホテルで過ごしているのですが、今年は家のwifiが使えると聞き、おうちニュピにしたのですが、ホテルよりくつろげるし普段できていなかったことを没頭してやっていたら、あっという間にニュピが終わってしまいそうです。
この記事を書いていると、雨がポツポツ降り始め、大降りになってきてしまいました。この雨が上がった頃、ちょっと外に出てみようかな。

来年はコロナも終息して、オゴオゴが再開されることを祈っています。

ちなみに、さそうあきらさんのバリ島物語、バリ好きの方にはぜひ読んでいただきたい漫画です。
良かったら探してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました