SDGsが浸透してきつつある日々の暮らしで、家庭で簡単に生ゴミ処理ができると評判のキエーロ。
キエーロとは日本発祥の新しいコンポストの1種で生ごみが1週間足らずで消滅するという優れもの。
今回はそんなキエーロの使い方、作り方を体験を交えてご紹介しますね。
キエーロってなに?
「キエーロ」を検索してみると出てくる記事をまとめてみました。
葉山町発祥の家庭用生ごみ処理機「キエーロ」。十数年前、同町に住む松本信夫さんと恵里子さん夫妻が考案し、現在は生ごみ削減の切り札として全国の自治体でじわじわと普及が進んでいる。「土の中のバクテリアを利用し生ごみを消滅させる生ごみ処理容器」
用意するのは黒土だけ
- 食用油、カレー等、投入物の制限はほぼありません
- 土に埋めるため、臭いません
- 分解後の土を堆肥として使えます
キエーロは突き詰められたシンプルな作り方、システムでありながら自然のバクテリアの力を利用し、生ごみ処理をよりスムーズに快適に行えるコンポストとして注目されています。これまでのコンポストより使いやすくベランダにも置けるためどんな人でも選択できる生ごみ処理機でしょう。
キエーロは別名消滅型コンポストとも呼ばれ、投入した生ごみはいつしか消滅し、後には黒土だけが残ります。
キエーロ vs 従来のコンポスト
そもそも「コンポスト」とは何でしょう。 コンポストとは、堆肥のことで、通常「堆肥化する」道具をコンポストと呼んでいますが、厳密にいうと、コンポストを作る道具は「コンポスター」と言います。
定番のコンポストは畑などのスペースに穴を掘り、上からコンポストをかぶせて生ごみと黒土を投入して分解をうながすタイプです。ほかにもバケツを使ったりさまざまな作り方をしたコンポストが販売されています。
キエーロとはコンポストの1種ですが、よりシンプルな構造と作り方で太陽と風、そしてバクテリアの力を最大限に利用して生ごみを分解する処理装置です。
キエーロの作り方や使い方は葉山在住のご夫婦が開発され登録商標、実用新案登録済み。日本の暮らしに寄り添うコンポストです。
従来のコンポストはバクテリアが十分に含まれている堆肥や腐葉土を黒土に混ぜたり、ぬか床などを加えて発酵をうながす必要があります。そして生ごみが分解されるとそれだけ堆肥が増えました。家庭菜園などをしていて、生ごみを分解して得られる堆肥の使い道がある人は重宝しますが次から次へと出る堆肥を持て余す人がいるのも事実です。
しかし、キエーロに必要なのは容器と黒土、そして分解したい生ごみだけです。
そしてキエーロは消滅型生ごみ処理機とも呼ばれ、バクテリアが完全に生ごみを分解してしまうので土が新しく増えることはなく、最初に設置した容器のサイズで完結します。
また、従来の多くのコンポストは地面に穴を掘り、そこへコンポストをかぶせる使い方をします。そのため固い地面にある程度の大きさの穴を掘るのに苦労することもありました。
キエーロは木材などで土を囲う容器を作り、そこで黒土を充填して使います。そのため大きな穴を掘る労力が必要ありません。
キエーロ 作る!?買う!?
シンプルな構造のキエーロは作り方も簡単です。廃材を使用したり、使いたいスペースに合わせて設計することも可能で自分の暮らしに合った作り方ができるのもキエーロの魅力です。
キエーロ作りの重要なポイント
- 通気性のある素材か
- 日光が取り込みやすくバクテリアが活動しやすい温度になるか
- 通気性がよく土の乾燥が保てるか
- 水分バランスが取れる土の量が保てるサイズか
- 生ごみを十分に埋められる深さが確保できるか
- 大量の黒土を入れても壊れない耐久性があるか
黒土を充填した後は移動が困難なため置き場所を決めてから黒土をキエーロに充填しましょう。
キエーロの蓋の作り方ですが、中の黒土の温度が日光に上がりやすいように透明パネルにし、風が通り抜けやすいように蓋をやや斜めにつけて本体と隙間を設けます。
底があるキエーロは全面が木材で覆われており土が流出しません。そのためこちらの作り方はベランダなど置くのにおすすめ。底があるキエーロは中の通気性をよくするためにブロックなどで底上げして風通しよくすると良いです。
キエーロの作り方で重要なのがサイズ設定。キエーロが消滅型生ごみ処理機として機能するのはバクテリアと生ごみ量、そして周りの水分量や気温のバランスが取れた作り方だからこそです。
あまりに小さいサイズではバランスが崩れやすく臭いや虫が発生しやすくなります。キエーロのサイズは容量60Lが最低ラインとも。自作する場合はサイズや水分バランスなどを見ながら設計・調節しましょう。生ごみを十分に埋められる深さ(20cm)は確保するのも大切です。
作るのは無理〜という方にはこちらから購入することも可能です。http://kiero.jp/buy.html
キエーロ 設置場所 使い方
1. キエーロを置く場所は日当たりがよく風通しのよい場所を選びましょう。
バクテリアが活動しやすい温度になるように1日最低2~3時間は日光に当たる場所で尚且つ風通しのよいことも重要です。適度に土が乾燥していないと臭いや虫の原因となります。
キエーロを始める際の準備物
- キエーロ本体
- スコップ
- ジョウロなどの水を注ぐもの
- ゴミを貯める容器(蓋付がオススメ)
- 土(市販の黒土がオススメ、粘土質の土や砂の多い土は適さない)
- 生ゴミを貯める
水気は切らなくても大丈夫。
細かく刻んでおくと分解が早くなります。 - 生ゴミを埋める
スコップで20cmくらいの穴を掘り、適量の水と生ゴミを投入する。
そして切りながら混ぜる。※水は握ったら土で団子が作れるくらいが適量、多すぎるとゴミが腐り臭いの元になってしまう。少ないと微生物が活性化しないので土が生ゴミとしっかり混ざるようにする。
※天ぷら油、カレー、シチュー、残り汁も入れてOK。
埋める場所はあらかじめ決めておいてローテーションすると良い。 - 乾いた土で埋める
生ゴミを完全に覆うように、乾いた土で完全に覆うようにします。※表面の土が湿っていると、虫が来てしまう。
初めの頃は微生物が活性化してないので分解に時間がかかると思います。。
※完全に覆わないと臭いの元になる。土を掘ったスコップも匂いの素なので、グリップの根元まで土に埋めておくと良い。
キエーロでの生ゴミの分解のしやすさ
キエーロの中では、微生物が生ゴミを分解してくれています。
その微生物が分解を得意とするものは。。。
めちゃ得意
傷んだ野菜、傷んだ果物、魚の内臓、生肉、ラーメン、食用油、飲み残しのお酒、ジュース、残った揚げ物、もみがら、米ぬか
そこそこ得意
刻んである野菜クズ、果物、野菜の皮(ジャガイモ等)、果物の皮(梨、りんご、ぶどう等)、火を等した魚や肉、ごはん、パン
少し苦手(細かければOK)
柑橘類の皮(みかん、グレープフルーツ等)、トウモロコシの芯、玉ねぎの皮、スイカの皮、昆布、魚の小骨、卵の殻、カニ・エビの殻
苦手
貝殻、動物の骨、たけのこの皮、トウモロコシの皮、種(梅干し、かぼちゃ、アボガド、ゴーヤ、桃)、魚の大きな骨
キエーロについての疑問を解決
使っていくうちに土は増えないの? | 生ごみエネルギー物質や二酸化炭素などに分解されてしますので、土の増減はほとんどありません。 |
生ごみが消えないんだけど | 生ごみと土をよく混ぜていますか?また、使い始めや気温の低い季節はバクテリアの活性が低く、分解に時間がかかります。そんなときは米ぬかや廃食油を一緒に混ぜると分解が早くなります。 |
虫が発生したんだけど | 生ごみが表面に露出していませんか?それか土の表面が濡れていませんか?表面が濡れていると生ごみの臭いが上がってきて、虫が発生します。上から乾いた土をかけてください。また、殺虫剤で駆除しても土の中のバクテリアには影響がありません |
洗剤がついた生ごみを入れても問題ないの? | 問題ありません。 |
実際に使ってみた
うちのキエーロはこんな感じ
日本発祥のキエーロなのでもしかしたらバリ島第1号かもしれませんね。
近所の大工さんに設計図を渡して作っていただきました。サイズは幅100cm 高さ80cm奥行き50cm です。
黒土を7分目くらいまで入れて、6つのエリアに分けて、毎日順番に生ゴミを埋めています。次に埋めるところにスコップを首まで差し込んで目印にしています。
1周してくる頃には、生ゴミはほとんどが分解されて土だけになっています。大成功!
まとめ
キエーロとは黒土を入れるだけでバクテリアが生ゴミを消滅させてしまう凄いやつ。
ベランダでもよく、土が増えることもないので、手間要らずです。
自宅でこんなに簡単に生ゴミ処理ができるなんて素晴らしいと思いませんか?
これから自宅でコンポストを始めようと思っている方は、日本の方は自治体のホームページを確認し、どのような奨励制度があるのか、調べてみてください。
ミニ・キエーロであれば、さらに始めやすいと思います。
バクテリアの底力をぜひ体験してみてください。
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